無住心剣の研究blog (無想剣武術会 藤沢市支部)

針ヶ谷夕雲先生、小手切一雲先生らが残された「無住心剣/夕雲流」の事を掲載していきます。実際に稽古に参加をされたい方は、東京都、神奈川県で稽古を受け付けております。

極楽と地獄1(無住心剣を知るために)

極楽と地獄1

 

地獄なんてあるの?

極楽??

空想の世界ですね。

  

今回は極楽と地獄について

説明をします。

   

その前に戦争体験をされた方のお話。

Aさんは海軍の少年兵でした。

いわゆる軍艦の搭乗員です。

軍艦ですので、空襲や魚雷などで

攻撃を受ける事も当然あります。

  

これにより多くの仲間が死傷しました。

同時に、日本国側の攻撃で敵兵の多くも

死傷しました。

  

地獄とは、この光景もあるのでしょうが

“地獄の底”とは

「敵を、ぶっ殺してやる。」

と言う心の状態を指します。

 

この心の中に地獄と言う世界が

広がっています。

 

その後日本は戦争に負け、軍備は解体されました。

次にAさんが任に着いたのは、

「日本国外にいる日本兵の回収作業。」

軍備を外された軍艦を輸送船として

再び動かすことになりました。

  

フィリピンに寄港した時。

フィリピンに残された日本兵たちは

国旗日の丸を掲げた軍艦を見て、

全員が涙を流したそうです。

その涙を見たAさんもまた、

涙を流しました。

    

その涙は何の涙でしょうか?

これが極楽です。

涙の中に極楽と言う世界が存在しています。

 

   

極楽と地獄。

この意味を理解した時に無想が訪れます。

  

極楽とは仏の心。

無住心剣(夕雲流)は仏の心を理解することを

第一とします。

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無想剣武術会